温泉と銭湯の違い

温泉と銭湯の定義

温泉と銭湯は「公衆浴場法」という法律が定められていますが、管轄が異なります。

温泉には「温泉法」があり環境省が管轄。銭湯は料金の統制があるので都道府県が管轄しています。

温泉と銭湯はどちらもお金を支払い入浴しますが、具体的な違いはあるのでしょうか。

温泉法には「温泉は地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他ガスで、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう」と定義されています。

別表には、摂氏25度以上もしくはいづれかの物質を含むとあります。

まとめると「ふき出す温度が25度以上のもの」が温泉と認められます。また25度以下であっても特定成分の基準を超えていれば温泉となるそうです。

対して銭湯は人口でできた公衆浴場です。そのため、温泉と銭湯は自然のものか人口のものかの違いとなります。

それぞれの特徴

温泉はケガや病気の療養に効果があるといわれてきました。そのような健康効果を薬理効果といいます。

温泉法では、温泉の成分について書かれた分析表の掲示を義務付けています。

分析表には効能や入浴してはいけない症状や状態などが記載されているので、この温泉に入ればどのような効果が期待できるのかがわかります。

銭湯は物価統制令という法律により料金が決まっています。

物価統制令とは日用品の高騰を抑えるために戦後制定された法律で、銭湯の料金がその対象なのです。

2018年の場合最も高いのが神奈川県の470円、安いのが長崎県と宮崎県の350円です。

なぜこのように料金が決まっているのかというと、銭湯が国によって必要なものと認められているからです。

家庭内にお風呂が普及すると、銭湯の数も比例して減っていきました。銭湯がこれ以上減ってしまわないように銭湯を確保するための措置というわけです。

成分の違い

銭湯の場合、水道水を沸かしたものでも問題ありません。スーパー銭湯だと温泉を掘りだしたり、人工的に二酸化炭素を発生させたりと工夫してお客さんを呼び出すところもあります。

温泉は含まれている成分の種類や含有量によって異なり、以下のように泉質名が定義されています。

  1. 単純温泉…溶存物質量が1,000mg未満で泉温が25度以上のもの
  2. 塩化物泉…溶存物質量が1,000mg以上で陰イオンの主成分が塩化物イオン
  3. 炭酸水素塩泉…溶存物質量が1,000mg以上で陰イオンの主成分が炭酸水素イオン
  4. 硫酸塩泉…溶存物質量が1,000mg以上で陰イオンの主成分が硫酸イオン
  5. 二酸化炭素泉…二酸化炭素が1,000mg以上含まれているもの
  6. 含鉄泉…総鉄イオンが20mg以上
  7. 酸性泉…水素イオンが1mg以上
  8. 含よう素泉…化物イオンが10mg以上
  9. 硫黄泉…総硫黄が2mg以上
  10. 放射能泉…ラドンが30×10-10キュリー以上含まれるもの

※すべて温泉水1kg中の場合

特徴や効能などはそれぞれ異なります。また、湧き出る場所も異なるため、各地へ旅行の際に色々な温泉に行って入ってみるといいでしょう。