火山性温泉の意味
火山が数多くある地域では、地下数キロメートルから数十キロに地球の深部から上昇してきたマグマだまりがあります。その温度は1000℃以上。長年かけ雨や雪が地下深くに浸透し地下水となります。地下水がマグマだまりで温められると岩石の成分が溶け込み火山性温泉となるのです。
安全面の情報
「湯あたり」をご存知でしょうか。火山性温泉の成分が体に合わないと、頭痛、めまい、発熱などの体調不良を起こしてしまいます。火山性温泉へ入浴する際は、長時間の入浴を避けましょう。
日本に多くあることと他に世界中どこにあるか
火山性温泉は環太平洋構造体に沿って存在します。日本はその真上に位置しているので、火山性温泉は、日本全国に存在します。環太平洋構造体は、アメリカ合衆国西海岸、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、マレーシアなど太平洋を囲むような構造になっています。アメリカ合衆国であればイエローストーン国立公園が有名です。
火山性温泉の仕組み
日本は、世界4位の活火山大国です。火山は害をもたらす一方で様々な恩恵を与えてくれますが、そのひとつでもある温泉、特に火山性温泉もとても多くみられます。
火山性温泉と聞くと、火山の近くや火山地帯で蒸気が噴出しているところを想像する人が多いでしょう。ではその火山性温泉が作られる過程をみてみましょう。
1.深部から上昇してきたマグマが、地下数㎞~10数㎞の部分に高温のマグマたまりを作ります。
2.地表に降った雨や雪が地中にしみ込んで地下水となります。
3.地下水がマグマたまりの熱で温められます。
4.地下構造や人工的なボーリングなどによって地表に湧き出してきたものが火山性の温泉です。
高温のマグマたまりによって、マグマに含まれている養分やガスなどが混入して、周囲の溶岩の成分を溶かして、温泉の様々な泉質が形成されます。
一般的に、マグマたまりは火山が噴火したあとでも数十年から数百年温度が冷めません。
有名な火山性温泉
日本では特に雲仙温泉や箱根温泉、それから熱海温泉などが有名になっていますが、この他にも多くの火山性温泉があります。
現在はまだ知られていなくても、もし山の地下にマグマたまりがあれば、そこから火山性温泉が作られている可能性が高いです。
中には非常に高温のまま吹き出しているようなところがあり、このような場所ではそのまま温泉に使えません。
お湯の温度を下げるため、吹き出している場所から離れた場所で温浴施設の管理が行われているのです。
主な効果・効能
火山性温泉がある場所は必ずしも火山活動が活発で噴火の可能性があるわけではありません。
溶岩やマグマにはたくさんのミネラルなどが含有されているので、こうした成分が溶け出した火山性温泉は様々な効能があると言われています。
ボーリングなどによってお湯が出ている場所では温泉ほど熱くないものの、効能のある源泉を採取可能です。
万が一その温度が下がってしまっても、源泉をひいて温度を上げれば、これまでと同じように火山性温泉として活用するもの可能だそうです。